公益財団法人 橘秋子記念財団では、日本のバレエ教育の向上とバレエ芸術の振興・普及を目指します。

第39回 橘秋子賞受賞者

橘秋子賞特別賞 名前 酒井はな
酒井 はな
授賞理由 「眠れる森の美女」のオーロラ姫、 「ラ・バヤデール」のニキヤなどの古典作品の主役をはじめ、後藤早知子振付「スライス・オブ・ライフ」などの創作の舞台においても優れた演技を披露し、斯界のトップに立つ者の存在感を示した永年の舞台成果に対して。
橘秋子賞優秀賞 名前 中村祥子
中村 祥子
授賞理由 海外でプリンシパルとして活躍した後帰国、卓越した技術力、表現力にさらに磨きをかけ多くの古典、創作作品に主演、恵まれた姿態を生かしたスケールの大きなパフォーマンスで、すべてに命を与え、観客を魅了する表現力に対して。
受賞者プロフィール
酒井 はな (サカイ・ハナ) Hana Sakai
アメリカのシアトルに生まれる。5才よりバレエを始め畑佐俊明に師事。1988年、埼玉全国舞踊コンクールにおいてクラシック・バレエ第2部 第1位、橘秋子賞受賞。同年橘バレヱ学校に入学、牧阿佐美、三谷恭三に師事。1993年に牧阿佐美バレヱ団に入団、18才で『くるみ割り人形』全幕で主役デビュー。1997年、新国立劇場オープンと共に新国立劇場バレエ団に移り、柿落とし公演『眠れる森の美女』全幕にて森下洋子、吉田都と競演。以降同バレエ団プリンシパルとして活躍。中川鋭之助賞受賞。1998年芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2000年服部智恵子賞受賞。2003年、神奈川文化賞未来賞受賞。新国立劇場バレエ団公演、本邦初演ケネス・マクミラン版『マノン』にてタイトル・ロールを日本人として初めて踊り、同年ストラヴィンスキーの音楽劇『兵士の物語』に出演。2005年橘秋子賞優秀賞受賞。2007年劇団四季公演『コンタクト』にゲスト出演。2008年舞踊批評家協会賞受賞。ヒューストンにおけるドミニク・ウォルシュ・ダンス・シアター公演に招かれ『オルフェオとエウディリーチェ』のパ・ド・ドウを踊り、モスクワ・ボリショイ劇団におけるブノワ賞ガラ公演にて『椿姫』 『ドン・キホーテ』のパ・ド・ドウを踊り、またセルリアンタワー能楽堂における『伝統と創造シリーズ:ひかり肖像』に主演、津村禮次郎、森優貴と共演。2009年芸術選奨文部科学大臣賞。劇団四季公演『アンデルセン』 にゲスト出演。日本バレエ協会では2010年及び2012年『ジゼル』 、2011年『ドン・キホーテ』 、2013年『白鳥の湖』 、2014年『アンナ・カレーニナ』 、2016年『眠れる森の美女』 、2017年『ラ・バヤデール』にそれぞれ主演。クラシック・バレエを中心に活動しているがコンテンポラリー・ダンスやミュージカルにも積極的に挑戦し、新境地拓いている。優れた表現力、技術、品格ある舞台で観客を魅了し、我が国を代表するバレエ・ダンサーの1人として高い評価を得ている。新国立劇場名誉ダンサー。現在、洗足学園音楽大学バレエコース客員教授。2013年に島地保武と共にダンス・ユニットAltneu<アルトノイ>を立ち上げ、2014年に「NHKバレエの饗宴」で『 3月のトリオ』を発表する。主なレパートリーとしてはK・セルゲイエフ版『白鳥の湖』 『眠れる森の美女』 『ジゼル』 、A・ファジェーチェフ版『ドン・キホーテ』 、F・アシュトン『シンデレラ』 『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』 、K・マクミラン版『ロメオとジュリエット』 『マノン』 G・バランシン『テーマとヴァリエーション』 『セレナーデ』 『シンフォニー・インC 』 、A・チューダー『リラの園』牧阿佐美版『ラ・バヤデール』 『椿姫』石井潤版『カルメン』その他A・ブルノンヴィル、N・デュアト、D・ウォルシュ、後藤早知子、U・ショルツ、M・ゲッケ、C・シュクップ作品等がある。2015年第35回ニムラ舞踊賞受賞。2017年紫綬褒章受賞
中村 祥子 (ナカムラ・ショウコ)  Shoko Nakamura  
佐賀県生まれ。6歳よりバレエを始める。1996年ローザンヌ国際バレエ・コンクールでスカラーシップ賞/テレビ視聴者賞を受賞。96~98年シュツットガルト・ジョン・クランコ・バレエスクールに留学し、98年シュツットガルト・バレエ団に研究生として入団。2000年ウィーン国立歌劇場バレエ団に入団。同年ルクセンブルク国際バレエ・コンクールで第1位を受賞。02年ソリストに昇格。03年ヌレエフ版『白鳥の湖』で主役デビュー。06年ライト版『眠れる森の美女』でオーロラ姫を踊る。同年8月ベルリン国立バレエ団に移籍。07年プリンシパルに昇格。13年11月ハンガリー国立バレエ団にプリンシパルとして移籍。15年9月よりKバレエ カンパニーに在籍。ゲスト・プリンシパル。
 主なレパートリーはマラーホフ版『眠れる森の美女』のオーロラ姫、『シンデレラ』のタイトルロール、『ラ・バヤデール』のニキヤ/ガムザッティ、バランシン振付『テーマとヴァリエーション』『セレナーデ』『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』『アポロ』、アシュトン振付『シルヴィア』、ロビンズ振付『牧神の午後』、ベジャール振付『これが死か』『ニーベルングの指輪』、フォーサイス振付『精密の不安定なスリル』『ヘルマン・シュメルマン』、クランコ振付『ロミオとジュリエット』『オネーギン』のタチヤーナ、キリアン振付『小さな死』、プレルジョカージュ振付『白雪姫』、ツァネラ振付『アレス・ワルツ』『ベートーヴェン OP.73』『SENSI』『ジゼル』のミルタ、ビゴンゼッティ振付『カラヴァッジョ』、ランダー振付『エチュード』、ハインド振付『メリー・ウィドウ』、マクミラン振付『マノン』など。
Kバレエ カンパニーではこれまでに、『くるみ割り人形』のマリー姫、『クレオパトラ』『カルメン』『シンデレラ』『ジゼル』のタイトルロール、『ロミオとジュリエット』のジュリエット、『海賊』のメドーラ/グルナーラ、『白鳥の湖』のオデット/オディール、『ドン・キホーテ』のキトリ、『眠れる森の美女』のオーロラ姫、『ラ・バヤデール』のニキヤ、アシュトン振付『レ・パティヌール〜スケートをする人々〜』のホワイトカップル、バランシン振付『放蕩息子』のサイレーン、『シンフォニー・イン・C』第1楽章主演、プティ振付『カルメン』のタイトルロール、『若者と死』の運命の女、服部有吉振付『戦慄』を踊っている。初演キャストとしては『クレオパトラ』のタイトルロールがある。
 16年第66回芸術選奨 文部科学大臣賞(舞踊部門)、第47回舞踊批評家協会賞受賞。